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なぜ生きるのか、生きているのか。
まだ20代だった頃、過ぎゆく虚無な日常のなかで答えを必死に探していた。
転機になったのはオーストラリアに行ったこと。
3万年前から住むアボリジニは、時代を3つに捉えている。
何もなかった暗黒の時代
次に訪れた創造の時代
そして今は…「伝承の時代」
土も木も石も、全てはご先祖さまが生まれ変わっているもの。
私たちはただ次の時代に繋げているだけ。つまり生きる意味なんて、次に繋げることでしかないということ。。
真理をつかれた反面、判然としないまま訪れたのは、シドニー近郊の国立公園。暗い洞窟の中で美しく光る幼虫…グローワームは、やがて蛾になって洞窟の外へ飛び立ち、交尾をしてまた洞窟に戻り卵を産む。
この成虫には口がないと聞いた。ただ交尾をするためだけに成虫になり、卵を産んで次に繋げる。これを何万年と繰り返している現実を見せられた。
私たち人間もこの蛾と何も変わらない。
3万年という時間の流れで見たら、一生なんて瞬きでしかない。
当時は頭では理解したけれど、腑に落ちていなかった。あれから20年近い時間をかけて、ようやく腑に落ちてきた気がする。
子どもたちが幸せでいて欲しい。みんなが健康でいて欲しい。
そしてご先祖さまが繋いで来てくれた種のリレーを、次の世代へ繋ぎたい。
品種改良された種は「今」しかみていない。この時代のために産まれたものは、この時代で終わるもの。気候変動でたちまち立ち行かなくなってしまう。
何万年先にも残せるものは何かと考えれば、お金でも石碑でもなく、種しかないかもしれない。
そんなことを思いながら、この在来種の大豆を育てるのも13回目。
この長い長いリレーが、どうか僕の命が終わっても続きますように。